豆知識
生姜の歴史
香辛料の歴史は古く、人類が誕生し、狩猟を生活の手段として肉や魚を食べ始めた頃から、防腐剤や調味料あるいは医薬として使われてきたと推定されます。
ショウガはインドのマラバル沿岸・モルッカ諸島を中心とする東南アジアに多く産出される香辛料として、一部の国の隠匿や妨害にもかかわらず、ヨーロッパを はじめ世界中に多量に、そして次第に安価に広まっていき、今日のような世界市場における広範囲な普及・流通が実現したようです。
ショウガは古代の記録では、中国 、インド、ヨーロッパ、日本などすべて医薬品として使われ、食品の調味料として使われだしたのは中世以降のようです。
ショウガは中国 から渡ってきたようです。日本で最古のスパイスであり、「はじかみ」として神代の時代から使われていたようです。
東洋のスパイスでヨーロッパに知れわたった最初のスパイスの1つでもあるようです。西暦2世紀にはこのショウガは、紅海をへてエジプトのアレキサンドリアに輸入され、当時のリストにも記され、ローマ帝国の関税の対象にもなった記録もあるようです。
ヒンズー教徒にもよく使われており、コーランの中にも「銀製の水差しと、ガラスで出来た酒杯、その中にショウガの混ざったブドウ酒が注がれ、楽園の聖者達にまわし飲みされた」と記されているようにポピュラーなスパイスであったようです。
ショウガのエピソードとしてですが、現在のジャマイカがこのショウガの有名な産地になっているようですが、これは、16世紀初めにスペイン人のフランシス コ・メンドーサによって移植されたもののようです。中世の時代にはスイスの商人達がバーゼルの街路の名をジンジャー通りと呼んだそうです。
中国料理においては、ネギ、ショウガ、ニンニクは「三種の神器」です。
ショウガは2000年前の中国の医学書に記述があり、全ての漢方薬処方の約半分に配合されていました。東洋の医師の間では、生のショウガは腹痛、腰痛、下痢に用いられます。
世界の生姜の種類
生姜は世界中でスパイスやハーブのひとつとして使われています。
温暖な気候で、適度に湿度のある地域でしか栽培できないため、アジア、アフリカ、オーストラリアなどで主に栽培されています。
日本にも色々な生姜の品種があるように、栽培されている国の気候や風土によって、生姜の風味、香り、成分などが少しずつ違ってきます。
アジアの生姜の特徴
生姜は世界中でスパイスやハーブのひとつとして使われています。
アジアで栽培されている生姜は、他の国の生姜に比べて、やや辛味刺激の少ないタイプの生姜が多いようです。
生で料理などに使われることが多いため、皮がついた状態で市販されていることがほとんどですが、乾燥生姜もかなりあります。
食材以外にも昔から漢方や薬として生姜が利用されています。
アジアで栽培されている生姜の仲間には「ワイルド・ジンジャー」と呼ばれるものがあり、せき、腹痛などの治療に使われることもあります。
ワイルド・ジンジャーは、日本の一般的な生姜比べるとやや苦味があるのが特徴です。
インドの生姜の特徴
インドでは様々なスパイスが使われていますが、生姜もインドでは頻繁に使われているスパイスのひとつです。
茶色がかった、香りの良い生姜。
赤みのあるさわやかな香りの強いタイプの生姜。
甘みが強いものや、辛味の大変強いタイプの生姜。
中には、生姜の皮の表面に石灰をつけた状態で販売されているものもあります。
生姜の仲間で「フォレスト・ジンジャー」または「ポンツク生姜」と呼ばれるものは、生姜に近い味や香りをもつことから代用品として使われることもあります。
生姜の仲間で有名なターメリックも多く栽培されています。
アフリカの生姜の特徴
日本で見かけるものとは見た目もやや違ったものが多く、色が濃いものが多いのが特徴的です。
香りや辛味が非常に強いタイプの生姜が多く栽培されていて、ジンジャーパウダーの原料として使われることもあります。
生姜の種類
大生姜 ・・・ 晩生種で茎や葉も大きく育ちます。土佐一や近江生姜など
中生姜 ・・・ 中生から晩生種で、大生姜と比べるとやや小さめの生姜。三州生姜など
小生姜 ・・・ 早生種で、主に早採りして「葉生姜」や「はじかみ」などに利用されます。谷中生姜、葉生姜、金時生姜など
生姜の栄養成分表
分量 | 100gあたり |
カロリー(kcal) | 30 |
脂肪 | 0.3g |
ナトリウム | 6mg |
カリウム | 270g |
炭水化物 | 7g |
水溶性植物繊維 | 0.2.g |
不溶性植物繊維 | 1.9g |
タンパク質 | 0.9g |
ビタミンC | 2mg |
カルシウム | 12mg |
鉄 | 0.5g |
ビタミンB6 | 0.1mg |
マグネシウム | 27mg |